ベトナム製の鼻笛で木で出来ている。奥に見える穴に鼻息を吹き込み、下に空いている穴に付けられた口で共鳴させて音を出す、鳥笛型鼻笛の基本的な形をしている。そしt、えその口の大きさと息の強さで音程を変える。
口の大きさに関しては、小さければ小さいほど高音に、広ければ広いほど低音に。指穴等が無いため音程は繋がっており、音域はチューナーで測ったところ何と3オクターブ以上ある(!)
音は息音が混ざった感じの丸い(歌口の形も丸いのでそういう所が関係している?)音である。ホーやポー、ウォもすこし混ざるか? といったところで、オカリナに似ていると言った方もおられた。
吹き心地は個体ごとに個性があり、かなりしっかりした重めの吹き心地の物から、ヒューマナトーンより軽い物まで様々。
奥に見えるのは買ったときについてきたソフトケース。持ち運ぶときにとても便利な代物である。ベトナムだけでなく、ブラジルにも同じような楽器があり、こちらがオリジナルのようである。その楽器は聞くところによると鳥の鳴きまねをするのに使われていたようで、ウグイスの鳴きまねをすると、ウグイスさんの反応が返ってくる(非常に愉快な体験である)
また、ヒューマナトーンタイプの鼻笛は上唇をほとんど使用しないが、このタイプの鼻笛(というよりもこのノーズ・フルートのみといってもいい)は上唇を意識して使用するように感じる。特徴的な吹き込み口に上唇と鼻を使って一つの袋を造る感じで装着するのだ。
写真では口の中のサイズを唇含め変更するため高低音域と中音域での唇の写真を載せた。
高・低音域では特に前に出し(次の写真)、
中音域でもある程度は前に突き出している(次の写真)。
参考になれば幸いである。
ここからは、私のベトナム製鼻笛たちを紹介したい。
メイン写真のものは今、私が持っている鼻笛の中で一番の古株で、私のメイン鼻笛でもある黒檀ノーズ・フルートである。
この鼻笛と私の出逢いは、前にいたヒューマナトーンを無くしてしまい、京都のお店「コイズミ楽器」さんからネットで取り寄せた時。今、持っている鼻笛の中で一番しっかりした吹き心地で、どんな無理でも聞いてくれる頼もしい鼻笛と感じている。
また、背景に見える袋は京都のお店から来た時に入っていたものを、首から下げれるように改造したものだ。おかげでどこにでも一緒に行くことができる!色もいい色合いでとても民族楽器♪という感じが盛り上がる。また、桃色のビーズはお店から届いていたときもものを付け直した。
この鼻笛につけた「黒烏」という名前の由来は、「黒檀」別名「烏木」で出来ていること、私はカラス好きだから、そして英語でカラスは「クロウ(Crow)」と言うということで名付けたものである。
今、私が手に入れたなかで2番目に古いのが白檀のノーズ・フルートである。この楽器と出逢ったのは黒檀ノーズフルートの黒烏をネットで購入した京都のお店「コイズミ楽器」さんの実店舗で、とても楽しいお店である。
柔らかな吹き心地で、音色もふわりと言う感じ。他の二人はホールド感があるが、この鼻笛は鼻の受け口が広く、鼻に当てる時は「当てる」という表現が合うの当て心地である。表面がさらさらした感触なのも 理由の一つかもしれない。
この袋はその時に付いてきたもので黒烏のものとは違う配色のものを選んだ。まさに吹き心地のような柔らかい配色で、黒烏とはまた違う雰囲気を醸し出している。こちらにもピンクの木製ビーズが付いている。
コイツに使われている木材は白檀であるが、この白檀、香木として使われることもあるほどのいい香りのする木である! この鼻笛もとってもよい甘い香りがして、吹いている時に楽しくなる。名前の由来は白檀の白そして「黒烏」の烏を取って白烏にしたものである。
持っているベトナム製鼻笛の中で一番吹き口の曲がりがきつく、エッジが顔に個性を出している。家族が京都に行った時に他の鼻笛を買った楽器屋さん「コイズミ楽器」さんから買ってきてくれました。
どちらか言うとアメリカのノーズ・フルートと同じような軽い吹き心地の陽気そうなヤツで、音はどちらかいうとハスキーヴォイス。
これがコイツの入っている袋です。金色の袋で名前に入っている金はここから。そして黒は黒檀から鼻は……後で説明する。
ベトナム製鼻笛の中では唯一このタイプの袋に入っており、なんだか一人だけ雰囲気が違って見える。言うならば「陽気な大富豪」のようなイメージが浮かぶ。
そして、トレードマークがここ! なんと「鼻」である。歌口の上の所に別の木が埋めこまれていて鼻みたいに見える所があるのだ!そしてこの「鼻」が金黒鼻次郎の鼻の由来である。
そして次郎は黒檀ノーズフルートの二人目……もあるが、ベトナム製のノーズフルートは鳥の名前に関連させており、「キンクロハジロ」というカモから、語呂合わせもバッチリであったので名付けたものである。
沖縄出身で様々な民族楽器を演奏されているコウサカワタル氏がセレクトされた、ロースウッド製の鼻笛。ローズウッドはその香りから名付けられた木だそうでその名の通り、甘いながらどこかスパイシーないい香りがする。
吹いた感じは柔らかめでもすっきりした、立ち上がりが良い感じの鼻笛となっている。
音色も柔らかい中にすっきりしたテイストの混じる音で、吹き心地と似た印象を受ける。名前は沖縄出身の方から購入したと言う事から、この鼻笛に似た特徴的な虎柄を持つ沖縄原産の犬種『琉球犬』から名付けた。
白木のノーズフルートで、他のベトナム製鼻笛を買った京都にある民族楽器屋の「コイズミ楽器」さんに行った時に直接選んで買ったもの。白木製(カシだそう)で非常に軽い持ち心地の反面、吹き心地は最も重く息は要りませんが力が要る。
素材が少し乾燥した感触の物だからか音は少しかすれた感じで、また一味違った個性を醸し出す。ボサノバなんかが似合うかもしれない。
顔も個性的で少し曲がった吹き込み口が特徴です。特に吹く際に支障にはならない。
名前は、ツグミやその仲間のシロハラに雰囲気が合うなと思い、「シロハラ」という鳥の英語名「ペイル・スラッシュ」や、ツグミという意味の「スラッシュ」から取った。そこから白木ということでちょっともじって「シラッシュ」、それを漢字にして「白趣」とした。なので読みは「シラッシュ」である。
ローズウッドのノーズフルートで、他のベトナム製鼻笛を買った京都にある民族楽器屋の「コイズミ楽器」さんに行った時に直接選んで買ったもの。黒烏と表情がにてるので選んだ。
こいつの特徴は当て心地がツルツルで、全く当てている感じがないということ。そして歌口の削られた部分が長いということである。そのため、少し吹くときの口の形を変えなければならない。
そして、選んだもう一つの理由はこのはっきり分かれた赤と黒の色味。とても綺麗な鼻笛である。
名前の「冠鶴」は赤と黒の激しい色味の中に垣間見える黄色い筋が、”カンムリヅル”の雰囲気に似ていることと、”つるつるした感触”から名付けた。
ノーズ・フルート :Nose Flute (Vietnam)