2017年1月、鼻笛の愛好家がFacebookで「鼻奏口琴」の動画を紹介していることに気付いた私は、すぐに動きました。そして、初めての注文を受けたのでした。この話はこれだけでは終わりません。鼻奏口琴の製品化の中で未知の鼻奏楽器が求められていることを知り、平澤特殊楽器製作所の設立を決意したのです。”特殊楽器製作所”……鼻笛の愛好家の方にとっては「鼻笛は特殊じゃない!」と思われるかもしれません。しかし、私が目指しているのは鼻笛の向こう側に広がる広大な世界なのです。それは、特殊と言っていいほどに未開拓の世界だと自負しております。
「万笛博覧会2010」「音楽の祭日 in みんぱく」などに出演し、阪神はなぶえ会ぴーひゃら(当時:日本鼻笛協会阪神館友の会)の設立にも関わった私、平澤 翔が鼻笛に出会ったのは、仙台に住んでいたこの年でした。姉が買ってきたことで出会ったのですが、すぐにははじめませんでした。こんな素晴らしい楽器をはじめなかった理由は今となっては全くわかりません。しかし翌年、鼻笛と再会、その鼻息と口腔を利用するシンプルながら機能的な構造に感じるものがあり、Youtubeアカウント”Show Nose Flute”の開設を皮切りに活動をはじめたのでした。
では、なぜ興味を持ったのでしょう。私は映画音楽、特に世界の広がりを感じるSFの音楽が好きで、好きな曲の音は楽器で取ってみる子ども時代を過ごしていました。同時に、なにか”SF”を創ることを考え想像たくましくしている子どもでもあったのです。その中には楽器も含まれました。異星の楽器はどんなものか考えるのは楽しいものです。こうして、世界的に見ても珍しいくらいのシンプルさを持った鼻笛、そしてその先の開拓地へと私は向かっていたのです。鼻息、それは最後のフロンティア……。
万笛博覧会2010
音楽の祭日 みんぱく2011, 2012
森のコンサート・布引ハーブ園
など